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クロード・モネ
Claude Monet(1840-1926)
 食料雑貨商の息子としてパリに生まれる。5歳の時一家はル・アーヴルに移るが、この地の、海と自
 然はモネの感受性の形成に大きな役割を果たす。ル・アーヴルの海景を描いていたブーダンに油絵
 の手ほどきを受け、やがてパリに出、後の印象派グループとなるピサロ、ルノアール、シスレーらと親
 交を結ぶ。 1860年代にはフォンテーヌブローの森で仲間と戸外で制作し、 72年にアルジャントゥ
 イユに居を構えて、明るい色彩と、絵具を混ぜないいわゆる筆触分割の手法を用いて印象主義絵画
 の様式を確立する。 74年に初めて仲間とともに印象派展を開き、社会に大センセーションを巻き起
 こす。 83年にジヴェルニーを永住の地と定めてからは、更に独自の力強い色彩と一方では移ろいや
 すい光の微妙な変化を追求し、同一モチーフによる「連作」を推し進めていく。 1899年から生涯を通
 して描かれる『睡蓮』はこのような発展の上にあり、その集大成であるパリのオランジェリーにある 8
 枚の『睡蓮』の大作は、今日もなお「印象主義の殿堂」として光彩を放っている。