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ホアン・ミロ
Joan Miro(1893-1983)
 スペインの画家。版画家。カタルーニャのバルセロナに生まれ、マリョルカ島で没。1911年、病後に
 両親が与えたバルセロナ近郊のモントロイグの農場に住む。彼の芸術は生地カタルーニャの歴史と
 風土に深く結びついている。バルセロナの美術学校を中退、同地のアカデミー・ガリで学び、1918年
 最初の個展を同地で開く。1919年、パリに出る。1921年パリで最初の個展。1922年、『農場』を
 描き、23年、『耕地』などで転機を見出す。1924年ブルトン、アラゴン、エリュアールと知り、シュルレ
 アリスト(シュルリアリズム)の一員となる。『アルルカンの謝肉祭』(1924−25、バッファロー、オル
 ブライト・ノックス・ギャラリー)その他の幻覚的、オートマティスム的絵画を経てオブジェやコラージュ
 を試みる。1936年に始まったスペイン内戦に刺激を受けて、描かれた壁画の大作『刈り入れ人』(逸
 失)を1937年パリ万国博覧会スペイン共和国館に発表。1940年-42年第二次世界大戦の戦火
 のさなかに天上的な霊感と美をもつ『星座』を連作。星、女、鳥など象形文字的形象を駆使して、幼児
 的天真爛漫と絶妙な技術との結びついた詩的絵画をつくる。大戦後は彫刻、陶器、版画にも優れた作
 品が多い。二度来日、瀧口修造と共作の詩画集も知られている。故郷のバルセロナにミロ美術館が
 ある。